屋根は住宅の印象を大きく左右します。シンプルでおしゃれなデザインの片流れ屋根は、近年注目を集めている屋根の形状です。
色や材質だけでなく、形にもこだわるとよりおしゃれな外観に仕上げられます。基本的に軒が短いため、箱型のすっきりとした家と相性が良いです。
基本的に片流れ屋根と相性が良いとされているのは平屋です。では、2階建てはどうなのか気になる方も少なくないはず。
そこで本記事では、2階建て住宅に片流れ屋根を採用するメリット・デメリットや片流れ屋根にする際の注意点について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
片流れ屋根とは
片流れ屋根とは、傾斜が1つの屋根の形状で、直線的でスタイリッシュなデザインが特徴です。コンパクトな住まいに取り入れられることが多く、個性でおしゃれな印象になると、注目を集めています。
個性的ですが、シンプルなデザインなため、平屋や2階建て問わず、さまざまなタイプの住まいと相性が良いです。
片流れ屋根の建築費用
片流れ屋根は他の屋根と比べて、屋根の面積を減らせるため、建築費用は安価です。緩い傾きの屋根にすることで、屋根裏の材料も少なく済ませられます。
さらに、屋根の形を真四角にすると、軒や角、棟などの屋根周辺の材料を減らせたり、総2階にすると外壁の面積も減らせます。また、太陽光パネルとも相性が良く、設置面も一面で済むため施工費用を抑えることが可能です。
上記のような初期費用を抑えられ、大きなコストダウンにつなげられることは大きなメリットといえます。
2階建て住宅を片流れ屋根にするメリット
片流れ屋根は、大きな1枚の屋根で構成されたシンプルな形状が特徴です。おしゃれなデザインが魅力と人気を得ています。2階建て住宅に片流れ屋根を取り入れるメリットは以下4つです。
それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
大きな太陽光パネルを設置できる
太陽光パネルとの相性が良いことが、片流れ屋根の大きなメリットです。片流れ屋根は、屋根の接着部分がなく、1枚の屋根の面積が広いため、大きな太陽光パネルを取り付けられます。
設置できる太陽光パネルの面が広い程、多く発電できます。とくに、南向きの片流れ屋根であれば、太陽光発電のシステム機能を最大限に発揮できます。南向きの片流れ屋根を計画している際は、太陽光パネルの導入を検討してみてください。
初期費用が安い
片流れ屋根は、一方向に流れるシンプルな形であるため、屋根の接合部分がありません。また、雨どいは一方向のみに設置すれば良いため、他の屋根よりも材料や工事費を抑えられます。
また、新築費用だけでなくメンテナンスや修理、リフォームにかかる費用も同様、コスト削減につながります。このように、初期費用を安く抑えられるのもメリットです。
天井が高いから開放感がある
片流れ屋根の傾斜を付ける程、屋根と天井の間に空間ができます。その天井高を活用して、吹き抜けにすると、かなりの開放感を感じられます。
また、高い位置に窓を設置できるため、開放感だけでなく、光と風もしっかり確保できます。室内の広い範囲が明るく、風通しの良い環境へと整えられるため、快適さも抜群です。
屋根裏に広い空間を作れる
片流れ屋根は屋根と天井の間に大きな空間が設けられます。そのため、屋根裏に収納やロフトを設けやすいです。生活空間を使わず、デッドスペースを活用して、収納スペースが作れます。
ロフトに関しては、高さや広さに制限がありますが、他の部屋とのつながりがあるため、環境も整えやすく、窓の設置もできます。そのため、収納スペースとして活用するだけでなく、子どもの部屋や書斎、趣味部屋などとして利用できるのも嬉しいポイントです。
ただ、屋根に近いため、外気の影響を受けやすいです。そのため、床の断熱機能を高めたり、室内の空気の循環を工夫して、快適な環境を作りましょう。
2階建て住宅を片流れ屋根にするデメリット
片流れ屋根にはメリットがある一方、デメリットもあります。デメリットをしっかり把握し、取り入れるか検討しましょう。片流れ屋根のデメリットは以下3つ挙げられます。
それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
屋根や外壁が劣化しやすい
片流れ屋根は、屋根の表面の雨水が分散せず、そのまま下に流れていきます。屋根だけでなく、雨を受ける雨どいや外壁にも直接雨水が当たってしまうため、2方向に設置した通常の屋根よりも劣化しやすいです。
また、軒のない3面が風や雨、紫外線の影響を受けやすいため、外壁の劣化が早いです。外壁の劣化は雨漏りにより凍結しやすく、雨漏りのリスクが高まります。
外壁の劣化を防ぐためには、傾斜のない面にもある程度の深さがある軒を設けることが最適です。また、定期的なメンテナンスも必要です。
そして、片流れ屋根は一方向にしか雨どいを設けられないため、1つの雨どいにかかる負担が大きく、壊れやすいです。定期的に汚れやゴミがたまっていないかを確認し、負担を減らしてあげましょう。
雨漏りのリスクがある
片流れ屋根は、屋根の頭頂部の構造により雨漏りがしやすいです。一方向に向けて傾斜しているため、高い位置から低い方向に勢いよく流れていきます。
しかし、一部の雨は雨どいのついていない頭頂部側から壁を伝うように流れ落ちてしまうため、屋根の表面と屋根の厚みがある部分の隙間や、屋根と壁の接触面から雨水が浸透しやすいです。
これは、雨漏りの原因だけでなく、壁の劣化や湿度の上昇など住まいにとって大きなダメージにつながります。雨漏りを防ぐためには、ルーフィングという防水シートを屋根の下に敷き込むことが重要です。屋根と外壁の隙間をしっかり覆うことで、雨が侵入するリスクが軽減されます。
材料のつなぎ目をシーリングで埋める方法も有効ですが、シーリングの効果は10年程度です。そのため、シーリングを利用する際は、10年毎にメンテナンスを行い、雨漏りを予防することが必要になります。
ルーフィンの耐用年数は50年程度であるため、初期費用はシーリングよりも高いですが、メンテナンスの手間やコストを抑えられます。
また、メンテナンスの際は、足場が必要であるため、ついでに外壁塗装も一緒に行うことになることが多く、100万円以上のメンテナンス費用がかかることも把握しておきましょう。
湿気がたまりやすい
片流れ屋根は風の流れを受けにくく、家の片側に頭頂部が寄ってしまうため、屋根の頭頂部にある換気口から、効率良く換気することが難しいです。
通常の屋根は、屋根裏スペースにある換気口から換気をして、屋根の腐敗を防ぎます。対して、片流れ屋根は、空気が循環しにくいため、湿気をためやすいです。
湿気は、屋根や壁の劣化、カビや白アリなどの原因につながるため、対策を立てる必要があります。自然換気が難しい場合は、送風ファンを利用して、強制的に空気を循環させましょう。
片流れ屋根を取り入れる際は、換気面にも着目して設計しましょう。
片流れ屋根をおしゃれにするポイント
片流れ屋根は、屋根の勾配が緩いほどコンパクトな印象になり、勾配がきつくなる程バランスが悪くなります。なぜなら、片流れ屋根で勾配がきついと、家の上部に余分な壁が増えてしまうからです。
屋根裏にロフトを作るなどで急勾配の屋根を取り入れたい場合は、壁側にも逆向きの片流れ屋根を設置する段付き屋根にするのも有効です。
しかし、勾配を緩くすると雨漏りのリスクが高くなります。ガルバリウム銅板立平葺き屋根は、0.5寸勾配から可能なため、ほぼフラットです。ただ、その分雨漏りしやすく、代替えできる屋根材がないのがデメリットです。
3寸以上だと、選択肢が増えるため、おしゃれを楽しみたい方は、3寸以上にしてみてください。
片流れ屋根で2階建て住宅を建てる際の注意点3つ
片流れ屋根で2階建て住宅を建てる際の注意点は以下3つ挙げられます。
それぞれ以下で詳しく解説していきます。
保証がしっかりしている工務店を選ぶ
片流れ屋根の雨漏りや劣化のリスクを考慮すると、保証期間や保証の内容をしっかり確認して、保証が手厚い工務店を選びましょう。瑕疵担保責任を10年間で付けることが義務となっています。
保証によって、延長保証が付いている場合もありますが、これは10年目に依頼した工務店に屋根や壁、バルコニー、床下のメンテナンスをお願いした際に、延長されます。
外壁の材料やシーリング材を高耐久仕様とし、その分保証してくれているかということに着目し、依頼する工務店を決めましょう。
複数社に見積もりを出してもらう
家を建てる費用は、工務店や施工の方法などによって、大きな差が出ます。そのため、複数の工務店に見積もりを出してもらい、その中から自分の条件に1番合うものを選びましょう。
片流れ屋根は軒がどれくらい出ているかによって費用が変わります。そのため、軒の出に着目し、そこで比較してみてください。
相性の良い工務店を選ぶ
依頼した工務店とは、家を作る前、作って住み始めた後も関わっていくこととなります。疑問や不安があった際に、工務店の担当スタッフに聞きやすかったり、疑問や不安に丁寧に答えてくれる工務店を選ぶことが大切です。
雨漏りや劣化に関して、施工した住宅がどれくらい発生しているのか、メンテナンスはどれくらいの間隔で行われているのかを聞いてみると、今後の参考になります。
この際、雨漏りゼロ、メンテナンスもあまりしていない工務店には要注意です。また、雨漏りやメンテナンスが必要な場合にどんな対応をしてもらえるのかも、依頼を確定する前に確認しておきましょう。
群馬県で片流れ屋根の2階建てを建てる際は中村住宅工業がおすすめ
項目 | 詳細 |
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会社名 | 中村住宅工業株式会社 |
住所 | 群馬県太田市龍舞町1803-1 |
設立 | 1984年3月 |
施工エリア | 太田市・桐生市・足利市エリア |
公式サイト | http://www.nakaju.jp/ |
中村住宅工業は1984年に設立された、群馬県太田市を中心にBinOの家づくりをしている工務店です。新築やリフォーム事業を手掛け、『自遊に、暮らす。』をコンセプトに住む人がワクワクする家づくりを追求しています。
資金の相談から引き渡し、アフターまでワンストップで丁寧にサポートしてくれます。77年もの間、地域密着で顧客に選ばれ続けてきた会社であり、地域の特性を活かした快適な住まいを実現可能です。
また、無垢材などの自然素材を使用しており、健康面に配慮されています。呼吸困難を引き起こすこともあるシックハウス症候群のリスクを軽減できるのも魅力の1つです。
興味がある人は一度モデルハウスに足を運んでみてください。
まとめ
この記事では、2階建て住宅に片流れ屋根を取り入れる際のメリットやデメリット、注意点を解説しました。
片流れ屋根は、外観がおしゃれかつシンプルに仕上がると人気を集めています。そして、屋根や壁の面積が小さいため、初期費用や将来の外壁塗装などのメンテナンス費用を抑えられるのも魅力の1つです。
しかし、片流れ屋根は、雨漏りや劣化が他の屋根に比べて圧倒的に多いです。屋根の軒の出の有無によって、雨漏りのリスクが異なり、軒の出がない場合は、雨漏りや劣化のリスクが高まります。そのため、10年毎にメンテナンスが必要です。
メンテナンスの費用を抑えるためには、外壁材および、シーリング材を高耐久仕様とし、その分保証が手厚い工務店を選ぶことが大切です。屋根は住宅の印象を左右する大きな要素であるため、各特徴を押さえながら、希望に合うものを選びましょう。